初めに Solid Edge 2d Draftingからの乗り換え
今までSolid Edge 2d Draftingを使っていましたが、年を追うごとに、強制バージョンアップがなされ、その度に、使い勝手が悪くなってきました。オフセットと同時に寸法を勝手に入れられたり、3次元CADみたいな拘束概念が導入されたり、縦型のプロパティエディタが強制されて、しかもそれが表示されるのが、かなりもたついたりしました。この縦型のプロパティエディタがかなり曲者で、画面を大きく占有し、しかも動作がのろい、旧プロパティ形式の動作の選択もできないもので、致命的なものと感じ、新しいCADを探し始めました。
そもそも、Solid Edge 2d Draftingを使っていたのは、線種を登録することで、破線、色、太さをセットにして登録でき、一度登録すれば、破線、色、太さをそれぞれ個別に設定するする必要がなく、作業が効率化できたからでした。しかし、今日では、レーザーカットが普及しており、その際には、一番メジャーなdxfで渡すということや、輪郭の実線だけを渡して、直ちに、gコードに変換できるようにして、加工業者の負担を減らすという要請もあります。①dxf形式で渡す、②実線だけを容易に分離できるようにするというのが要請になってきていると思います。
私としては、
礼儀その1:図面を加工業者に渡すのは、作ってもらう側の最低限の礼儀
と思います。なので、なにか、作ってもらおうと思ったら、図面を描く技術は必須。
そうでないから、素人、個人はお断りになるので。。
加えて、
礼儀その2:図面を加工業者に渡す場合、①dxfのデジタルデータで、②実線のみを別のレイヤーに表して図面を渡すことに加え、③輪郭の実線のみのdxfのデータも渡す、というのも、近年の新しい礼儀
と思います。
DXFで、輪郭データがあれば、容易にgコードに変換することができ、作り手のgコード打ち込み、という労力を格段に減らすことができます。また、3次元CADのSTEPデータを渡してくれという業者もあり、その場合、板金の輪郭のデータからFREECADで押し出して、立体形状を渡すこともできます。3次元CADは、平面形状の多数の穴をあけるなどは、あまり得意ではないようで、2次元CADで作って、押し出すのが便利です。
QCADは、この要請に対応できており、保存するネイティブのデータがdxfで、線種ごとにレイヤーを別にすることができ、実線だけを容易に分離できます。Solid Edge 2d Draftingは、dxf上でレイヤーが別にするというところができていないように思えましたし、dxfに変換すると、Solid Edge 2d Drafting上では、3次元の図のようなものが出てきて、業者に渡す前のチェックができない様子でした。その点でも、無料のCADといえば、QCAD一択です。なので、このQCADは、2次元の板金加工をするといった要請にマッチするものと思います。
なお、QCADのネット上の講評で、「線種ごとにレイヤーを別にするのは私の感覚としては違う、機能ブロックごとにレイヤーを別にするのが私の感覚として合致する」という趣旨のものがありましたが、そのようなASSYの機能ごとのブロック化や分離の役割は、「ブロック」が担っており、複数の線種を含めた機能ブロックとして1つにまとめる機能があります。この講評からすると、この方が、輪郭の実線のみのデータを渡すという礼儀に配慮することがあるのだろうか、部品図の加工業者への配慮をしたことがあるのだろうか、と思いますし、この方は、先ほど述べたQCADの素晴らしい真価をわかっていないのだろうと思います。また、この方の中間下請けとして、図面から位置を読み取って、逐一gコードを手作業で打ち込む方が必要になることが想定され、そういう恵まれた環境で、上位のシステム開発設計をされているようで、うらやましく思います。。
確かに、昔に、私が在籍していた設計部署では、そういうことは全く配慮していませんでしたし、紙で図面を渡していました。しかし、今となってみれば、レーザーカットやCNCが普及している現在、輪郭データからgコードに変換できるわけですから、上記輪郭のデータを渡して、作り手の労力を減らすというのも、安く作ってもらうなら、礼儀ではないかと思います。
今後は、QCADの実践的な使い方の説明(チュートリアル)をしていきます。。。
なお、「依頼主が部品提供した物への加工は、お断りします」という業者がよくありますが、その一律な対応については、設計者としては、本当に、これに対してはものが言いたいところです。ゼロから削り出してものを作るという無駄をするのはほぼ全くなく、チャネルとか□の押し出し材を巧みに活用して、切断と穴あけだけで製作するのが普通です。このようにして既製品を利用して制作費を抑えろというのは、私が在籍した元の会社でも指導されていたところです。その押し出し材を基にした加工をお願いしたら、加工業者はご自身で、それの4mとかの規格品を入手して、10cmを残してほとんど捨てることになり、材料を無駄に買わされるだろうか、せっかく安くしたい、というこちらの努力をすべて無にするのだろうか、と思えます。材料を切削業者が提供する形態は、価格のよりどころが不明確になり、ぼられる危険が高まります。横山テクノさんで500円で入手できる材料を1万円増しとか、材料費がこれだけかかるという説明もなく、根拠なしに材料費を上乗せして要求される危険がある。そういう硬直した態度が、開発設計を行うベンチャーをダメにし、ひいては日本の製造業をだめにして、空洞化させているのではないかと思えます。