やまちゃんのオーディオブログ

真空管アンプ、最近は資金調達のためのFX,MetaTrader4ネタもやっています。

91Bアンプ

91Bタイプアンプの製作(その4 チョークインプットへ改造、製作編)

投稿日:

<製作編>

トランスを置いてみた。

何とか、入るスペースがあるので、思い切って、トランスを外し、穴をふさぐことにしました。

結構大きい穴です。

どこのサイトか忘れましたが、真空管アンプの穴をふさいで再利用している記事があり、それを思い出しました。

改造するには、穴をふさぐしかありませんが、ロウ付けや溶接は、すでに部品があることから無理。はんだ付けもむつかしいようです。

そうすると接着剤しかありませんがが、金属の接着剤というと、すぐに剝がれたりして、いい思い出がありませんでした。

そこでいろいろ調べてみると、メタルロックという2液混合の接着剤が良いとわかり、コーナンプロで購入し試してみると、かなりの強度を得ることができました。

内部から裏打ちをするのに、大きさをはかるには、柔軟性があるトレーシングペーパーが最適です。

トレーシングペーパーで裏打ちをする板の大きさを測る。

柔軟性があるので、狭い隙間に入りやすく、干渉を容易に修正でき、大きさをはかりやすいです。

1.5mmのアルミ板を買ってきて、トレーシングペーパーを両面テープで固定し、ジグソーなどでその通りに切りました。

金属板にトレーシングペーパーを載せる。

接着剤で固定

メタルロックは、2液性の接着剤なので、普段は固まらず、管理もらくちんです。

混ぜ合わせて1分以内に固まり始めるので、時間との勝負です。圧着する必要があり、接着部分に背が高いトランスを敷くなどして、アンプの自重か、トランスの重さを利用して、密着させます。

密着すると、接着剤が染み出てきます。これを早期に取り除かないと、あとで取り除いたら、アルミのほうが削られてしまいました。それぐらい、接着強度は高いです。

あとで接着剤を取り除いたので、傷だらけ。

 

次に穴をふさぎます。穴をふさぐため、丸い50mmの円盤をジクソーで切り抜きます。円盤を作ってくれるサイトもあるようですが、当時はゴールデンウィークの最中で、やむなく自作となりました。

なんとか、ジクソーで丸い穴を切り抜いた。

先に、50mmの外形を2枚切りたくなりますが、そうすると、持つところがなくなり、切ろうとする部材の固定が困難になり、危険です。

なので、2つを連結したり、外形の一部をプラモデルのように一部つなげたままにするなどして、もち手を確保するよう配慮し、外形を切り出すのは最後にします。

ここからは、際限のない無限の現物合わせwww。削っては合わせ、削っては合わせてみる。

少し入らなくて浮いている。

何とか入ったので、接着剤で固め、1日放置。

そのまま、穴をあけようかと思いましたが、トランスの向きが気になったので、ノイズメーターで測ります。

向きがどうのこうのと、批判を受けるのも嫌ですし。。

真空管を抜き、電源トランスに電源を入れ、チョークの両端にノイズメータを接続して、トランスを動かし、その位置や角度に応じて変動があるかを調べます。このチョーク(CH‐20‐150D)は、すでに電磁シールドしてあるからなのか、かなりノイズは小さいように思いました。

トランスを手前に持ってくる

トランスをアンプの一番手前に持ってくる

真空管のソケットを踏んでいる。ww

電源トランスに接して置く

トランスを手前、コンデンサを奥へ

結論として、電源トランスから11cm以上離さないとノイズが下がらず、それより近い範囲では、どの向きでも、どの位置でもほとんど変わらないこと、それほどノイズが多いわけでもないことから、真空管の熱でコンデンサが炙られる危険や、真空管をぶつける危険を考慮して、向きや場所を自由に定めることにしました。11cm離した場所には真空管がある場所なので、そもそも置くことはできませんから、現実的ではありません。

色々考えて、トランスを前に置くと、真空管を外した際にトランスにぶつける危険があり、熱がこもりやすいかと思って、コンデンサを前にすることにしました。トランスの向きは、長手方向の面が電源トランスとに向いていますが、向きを変えてもほとんど変わらないことと、上記の真空管の距離を保つためにトランスをこの向きにしました。

真空管との干渉を検討。なお、トランスを木材の台座の上に置いています。

 

なお、チョークトランスにも、接続の向きがあります。どちらを高電圧側にするかで、ノイズがかなり変わります。コアに近い側の端子と、遠い側の端子では、ノイズを受ける傾向が違います。なので、トランスには巻き始めなどが記載されていることが多いです。

なので、チョークトランスを、左に見える赤と青の端子に、ケーブルを介して接続し、外して、この端子を回転させて、ノイズを測ります(部品の接続方向、向きの調べ方、測定 – やまちゃんのオーディオブログ)。

このケーブルとしては、簡易に、より合わせた電線を使いましたが、より合わせをほどくだけで、ノイズメータの数値が変わってしまう繊細な測定です。なので、ノイズメータの端子の正負を逆にする際には、この端子を回転させて測定するようにし、ケーブル側を回転させないようにします。

本題に戻ります。際限のない繰り返しで、位置決めを行い、コンデンサーの穴をあけました。この穴あけには、ホールソーを使いますが、そのときにドリルとしては低速モードのものを使うとよく、京セラのCDD-1030がおすすめです。低速モードに切り替えることができ、ゆっくりした線速度で十分なパワーで切ることができます。アンプの箱を作る際に使っていたのは、高速ドリルであったので、パワーを上げるとすごい速度になり、押し付けて速度ダウンするなどして、冷や冷やしながら使っていたので、それに比べると、これは本当に安心できます。

コンデンサーの穴をあけてみると、中のコンデンサーにも穴をあけてしまいました。サラサラの液体が漏れてきました。www

oplus_32

トランス、コンデンサーを取り付け

外側の形状を優先で取り付けたので、内部をかなり変更する必要がありました。

元の2uFのコンデンサを奥場所がなくなったので、これを立てて置いています(写真右側)

あと、安井先生のノイズフィルタなどもいろいろと入れていますので、その配置の変更も苦心しました。

ノイズフィルタ ダイヤグラム(電源プラス側、マイナス側、入力アース側、浮かしたトランスの接地、コンデンサマイナス側と筐体との接地)

 

高周波ノイズ対策をここまで徹底してやっているアンプはあまり見たことがありません。

274A辺り、木の棒に55回巻き付けた空芯コイルを置いています。

アンプのコンデンサ側

 

先ほどのチョークトランスは、浮かせて、とりあえず150Ωでアースに接続しています。本来は、100Ω程度。安井式なら上記の通り、SN8S300と、33~68Ω並列となります。その後、SN8Sなどを、大量に発注しました。

とりあえず改造は終わり、ふたを閉めました。トランスを外に置いていた時とは違い、トランスをアースに接続しているので、少ししっかりしたように思いましたが、エージングできていないせいか、少し刺激を感じます。うなりは聞こえません。

その後ふたを閉めましたが、ふたを閉めると寂しくなる性分で、盆栽のように手を入れたくなります。続く。。

-91Bアンプ

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