色々調べましたが、メカニカルカウンターでは、カウンターの値を、巻き戻すことができないようで、ねじを回すとリセットがかかってしまいます。一部のデジタルカウンタでも、減算はできないようです。
そこで、逆回転をすると、値が減少するアップダウンカウンターが欲しいと思い、調べました。
もちろん、マイコンをがりがりいじって、プログラムを書いてという途方もない方法は、なしです。ww
結論としては、
1 例えば、オムロンのデジタルカウンターである、H7CCーAD(またはH7CCーASD)と、
2 ロータリーエンコーダー(基板タイプではなくて、しっかりしたもの、アマゾンなどで入手)と、
3 12V電源(デジタルカウンターと、ロータリーエンコーダの電源の共用、必ずしも12Vでなくてもよい、サーボモーターで軸方向のエナメル線の糸繰を制御したいなら、24Vが好ましい(後述、追伸参照))と、
4 3の電源のレセプタ(DCジャック付ケーブル(協立電子、モノタロウなど))と、
5 ロータリーエンコーダの軸と、回転軸を接続するカップリング、
または、プーリーなどによりエンコーダに回転を伝える駆動機構と、
を用意し、ロータリーエンコーダーの出力について、カウンターに位相入力を行うことで、カウンターに回転方向を認識させ、
デジタルカウンターには、エンコーダの分解能の値(例えば1回転当たり500パルスだったら、その500回)に一度、カウンタがアップダウンするように、パルスの変換設定(プリスケール値の設定)をする(ここがエンコーダを使うみそ!)のが、おすすめ、となります。
ロータリーエンコーダでは、1回転1パルスのZ信号を使うのではありません。Z信号は原点を検出するためのもので、回転方向が確認できるか疑問です。「わしは、1回転に一度、パルスが欲しいのであって、1回転で500パルスもカウントされたら、使い物にならないではないか」と思うかもしれませんが、H7CCーAシリーズには、特定パルスごとに、1メートルなどと変換設定する機能があるので、問題ないです。
オムロンのH7CCーAシリーズは、複数の型番がありますが、100V交流電源の形式のほうは、3000円ぐらい高額となっておりますところ、12V1Aの電源は1000円ぐらいで売っていますし、ロータリーエンコーダにも電源が必要で、結局12vなどの電源を買う必要がありますので、24V電源仕様にしてください(この仕様では、DC12~48Vの直流電源が使えますが、上記の位相入力を行う場合、電源は30vまでです(H7CC-AD 電子カウンタ | オムロン制御機器参照))。ロータリーエンコーダ、デジタルカウンターともに、電源の入力電圧には注意して確認してください。加えてデジタルカウンターでは、パルスの入力電圧の許容値も確認してください(上記1のカウンターでは、Hレベル: DC4.5~30Vとなっています)。「入力」の方式は、端子台タイプにしてください。ソケットタイプは、おそらくソケットを用意しなければならなくて、業務で使っていなければ、使いにくいです。「出力」は、外部に特定のカウンタ数になったことを知らせるもので、その需要がなければ、特になくても構いませんから、どのようなタイプでも構いません。4のレセプタは、3の電源のDCジャック部分を切断する(加えて、配線を剝いで端子に接続する)勇気があるなら、不要です。ロータリーエンコーダは、電子部品店に売ってる小型のものは、寿命が500パルスなどとかなり少ないですから、使えません。アマゾンなどで売っている2000円以上のものを使ってください。ロータリーエンコーダの軸を、回転軸と、直接には接続できませんから、カップリング(、プーリーなどの駆動機構など)が必要です。若干の軸のずれをカップリングが吸収してくれます。
追伸 2025.6.14
プリスケール値の設定は、最小0.001倍までなので(H7CC-Aのプリスケール値の設定を教えてください。 – 製品に関するFAQ | オムロン制御機器参照)、ロータリーエンコーダの選択としては、ロータリーエンコーダの1回あたりのパルス数は1000まで、(1/パルス数)が0.001の倍数であるものを選択してください。ロータリーエンコーダのパルス数として、100,200,500,1000は可能ですが、300などを選択すると、ずれが生じてきます。初稿では、300パルスを例にとっていました。スイマセン。
また、「出力」については、出力端子に接続された端子間を接続するスイッチとしての機能を果たし、トランジスタ出力のH7CCーASD(H7CC-ASD 電子カウンタ | オムロン制御機器参照)では、トランジスタの耐圧の制限を受け、「1a DC30V以下、100mA以下 残留電圧 DC1.5V以下(実力約1V) 漏れ電流 0.1mA以下」の制限がありますが、機械接点がない無接点でのオン・オフとなりますので、リレー接続よりも高速のスイッチングができます。トランジスタ出力ではない方のH7CCーADは、リレー接続であるので、交流電圧もスイッチングすることができ、「1c AC250V/DC30V 3A 抵抗負荷(cosφ=1) 最小適用負荷: DC5V 10mA(P水準、参考値)」(H7CC-ASD 電子カウンタ | オムロン制御機器参照)となっております。
追伸 2025.6.15
サーボモーターで、上記ロータリーエンコーダの回転角度に基づいて、軸方向のエナメル線の糸送りを、リニアテーブルで制御したいという可能性があるのであれば、ロータリーエンコーダの電圧は、24vが好ましいです。調べたところによると、サーボモーターの位置制御の方法としては、古典的なパルス入力と、(高級な機種では)位置指令などがあり、サーボモーターのパルス入力の電圧は、24Vか5Vが一般的です。なので、24Vがおすすめです。
パルス入力では、(電子ギアを何も設定していなかったら)1パルスを与えると、例えば(2の17乗)分の1度、動きます。この辺は、ステッピングモーターと同じなのだけど、常にフィードバックがかかり、目標パルスになるよう追従するところが少し違います。なので、余談ですがMECH3の、赤い天使のようなのロゴのボード1つで、ステッピングモーターもサーボモーターも両方コントロールできます。
そして、電子ギアを設定すると、その割合を掛け算した角度だけ回転します。なので、ロータリーエンコーダーの入力を直接、サーボモーターのドライバに与え(もちろん、安全のため、サーボモーターのドライバの内部で、フォトカプラで絶縁されてだけど)、電子ギアを設定すれば、ロータリーエンコーダーの角度に追従して、軸方向のエナメル線の糸送りが可能になりそうです(別の記事で記載します)。