これまで、91Bの回路に対して、
①50uFの電源フィルタの追加、
②チョークインプットトランスの追加、
③交流電源の安井式ノイズフィルタ、
④集中アースをグラウンドから浮かせて、高周波フィルタを介してシャーシーと接続、
⑤入力信号アース側の高周波フィルタ、
⑥電源のB+側の高周波フィルタ、
⑦電源アース側の高周波フィルタ、
⑧コンデンサの極性を調べてノイズの少ない接続のマイナス側に印をつけ、送り出し側、ハイインピーダンス側を、アース側にする、ないし、高電圧側をコンデンサのアースではない側に設定する
⑨チョークトランス、出力トランスの極性を調べて、ノイズの少ない接続に合わせる、
⑩共通インピーダンスを防ぐため、抵抗のターミナルボードの各配線を独立して、B電源の最終段コンデンサ,またはグラウンド側の集中アースにつなげる、
⑪コンデンサのアース側を、真空管ごとにまとめる、
⑫B電源の回路のマイナス側を、フィルタの順番に接続するなど、
ありとあらゆるノイズ対策をして、高周波対策により、一段としっかりした感じになったと思えます。
細かく手を入れており、名付けて、”オーディオ盆栽道”といったところでしょうか。
次は、電源トランスに不満を覚え始めました。完全バランス巻きになっていないので、巻き線のインピーダンスが異なります。完全バランス巻きとは、整列巻きの各段の中を2つの領域に分けて、センタータップの両側の巻き線を、両方とも同じ階層に対象に配置するというものと理解しました。通常は、センタータップの片側の巻き線を重ねた上に、センタータップのもう片側の巻き線を巻くので、その導線の距離が異なってしまい、その結果、巻き線の抵抗値が異なるので、整流したときに波高値が異なってしまいます。完全バランス巻きでは、巻き線の領域がセンタータップを中心に完全に対称になっていますので、ある段では、外側から内側に2つの巻き線を、次の段では、内側から外側に巻き線を整列させます。
とりあえず、石塚俊先生の記事(ラジオ技術2009年10月号137ページ「バイポーラトランジスタの使い方を考える(16)」)を参照して、⑬巻き線の抵抗値を測り、少ないほうに、抵抗を付加することにしました。
B電源の抵抗値を測ってみます。
抵抗のターミナルボードのターミナルが1つ余っていたので、これを利用して、右側の巻き線に追加して、抵抗を取り付けます。
差は5.4オームですが、3オームと、2.4オームしか手持ちがないので、ターミナルボードを外して、ターミナルボードの一つの穴を大きくして、中継端子を取り付けました。抵抗を取り付けて抵抗値を測ってみると、それでも1オームぐらい足りていませんでした。
簡単に見えますが、ねじを止める作業だけでも、ねじが落ちやすく、かなりの神経をすり減らす作業です。
とりあえず、ふたを閉めて聞いてみましたが、刺激が減って聞きやすくなり、より一段としっかりしたように思います。
この雑誌の連載によると、両波整流の波高の違いがなくなり、3次高調波が減る、ブラッグゲートなどコンデンサの銘柄の違いがあまり気にならなくなるとのことです。
なお、274A、300Bの巻き線はそれほど違いがないというか、テスターでは測れないので、対策しませんでした。
今後は、フィラメント用のトランスを追加してみたり、電源トランスを自作したりしていきたいです。