このカテゴリの最初の記事「アナログ用自作トーンアームと自作の空芯ステレオMCカートリッジ”蝶”」で示したように、ステレオカートリッジとしては、1つの針の斜め45度の変位を、2つ取りこめばよいことになる。
例えば、①コイルによる電磁力を使う方法、
②コンデンサの厚み変化をとらえる方法、
③光の反射を利用し、フォトセンサで位置をアナログ的に取得する方法(光電式)などがある。
ここでは、①を使う。
空芯ということで、あまり電圧を期待できないと思い、
できるだけ、強力な磁石をと思い、中央に6mmの穴が開いた直径19mmの磁石で、
吸着力8kgのものを用いた。コイルには、0.1mmのエナメル線を用いた。
前から見ると、下のように蝶が舞うようになった。
(セロテープで仮止めしているので、汚くなっています。)
ここでの困難性(difficulty)としては、
①どのように、針をリンクするか
特に、今回はピアノ線を用いたが、接着剤だけでは、ねじれに弱く、
簡単に外れてしまうゆえ、ねじれに強いリンクの方法が難しい。
(how to link and fix the needle to the cartridge body;
especially how to fix piano wire to be strong for twisting)
②コイルの作り方(how to make coils)
③どのように、0.1mmという細いエナメル線を、RCAケーブルへ接続するか。
(how to link the 0.1mm magnetwire to RCA cable)
があった。
①(どのように、針をリンクするか)について
ちなみに、市販のMCカートリッジで針交換できるタイプは、
コイルに接続されたばね性の受けが付いており、針を交換して入れると、
その受けが所定の位置に沈み、針がコイルと接続される。
したがって、奇妙なことに、
交換針には、磁石もコイルも付いていないものがある。
針としては、加工容易にするため、なるべく長いものを選択し、
やわらかい金属で覆って、ペンチで噛みつぶし固定する。
前から見た蝶の形の部品は、銅板を折り曲げて作る。
この部品は、コイルを支持する。
コイルは、ACミリバルで調査したところ、
穴の入口に、コイルの中央が来るようにするのが感度が高い。
次に、上記噛みつぶした銅板を、蝶の形の部品で覆い、
これらを合わせて穴を貫通させ、プラスティックねじで固定する。
現状はとりあえず噛みつぶしているだけで、固定していないので安定性はいまいちだ。
磁石を大きくしないといけないと思っていたので、
上記最初の記事で紹介した文献と異なり、磁石までの距離が長くなり、
蝶のような形になってしまった。
コイルに接続される蝶の形をした部品は、針の真上にくるように設けることが出来るので、
感度を向上させることが出来る。
リンクには、ピアノ線を利用することにした。
最初は、やわらかく噛みつぶしが容易な銅線を使っていたが、
あまり、ねじれに強くない。
なお、リンクは長い方が、角度による誤差を小さくできる。
ねじれに強くするためには、・・・?
上記のとおり、まずピアノ線を用いることを考えた。
しかし、そのまま接着剤で固定しても、どんな接着剤でも、ねじれにはかなり弱い。
これにはかなり参った。
そこで、フックを設けて、接着面を広くし、やわらかい銅で包み込み、ペンチで噛みつぶすようにした。
かつそのフック自体が、ねじれの力を受けるようにすることで、
ねじれに強いリンクが完成した。接着剤にはホットボンドを使った。
②、③については、続く。
こんにちは、音場「關」KANのブログ主の峨駒です。
自作カートリッジを試されているようですね。カートリッジを自作する方はかなり少数派なので、仲間がいると非常にうれしく思います。
ただ、写真を拝見すると、とても大きいように思います。SPレコードならこの位大きくても良いかも知れませんが、LPを掛けると音溝にダメージがありそうです。私も最初作ったものはかなり大きく、LPを何枚もダメにしました。4年の月日を費やして少しずつ小型化していった次第です。今では針圧も4gと常識の範囲内でオーケストラの強音も歪まずに難なくこなしてくれます。
大変遅くなりました。もうしわけございません。コメントいただくとメールが来るものと思っていました。ご教授ありがとうございます!
今後ともよろしくお願いいたします。
サイトはすごい内容で驚くばかりです。
カートリッジは、結構大変な作業なので、最近はやってません。
マランツ7もどきを作ったので、いずれやろうと思います。
お久しぶりです。
その後いかがですか?
非公開でお話ししたいことが一つありますので、以前送っていただいたメールアドレスに送りました。
ご確認ください。
カズと言います 2021年3月mcカートリッジ自作しました
フォノイコライザー メインアンプ
繋いで音が出ましたが
シューシューというノイズがあり
さらに外に、車が通ると、ブーンと言い
ます。対策教えて下さい
これは結構難しい部類のノイズです。私も回答できるかわかりません。
インピーダンスが高いので、ラジオのように同調してノイズが乗っていると思われます。2段増幅の91Bアンプもその傾向がありました。
高インピーダンスの部分に、シールドケーブルやRCAの同軸ケーブルを使い、外皮のほうをアースへ流すとか、
(耐圧が足りない場合には、「通電してみんべ」さんの「配線材について (https://ecaps.exblog.jp/20376547/)」にあるように、手芸のワックスコードやエンパイアチューブを被せます。 スピーカーケーブルや内部配線材の作成に有効です。)
頭(インピーダンス)が高いとノイズの影響を受けます。
出力がインピーダンス高すぎなのでそのまま外部へ出すと、ノイズが出やすく、ケーブルをたたくとノイズが出ているかもしれませんし、
その場合、出力先にステップダウントランス(例えば10k(その出力段のインピーダンス):600Ω)を入れてインピーダンスを下げるとか、
ボリュームがガリガリノイズが出る状態なら、その部分に静電気がたまっているので、それを伝導性アルミテープなどで覆い、アースへ流すとか、
2つのアース基板がある場合、そのまま連結するとグラウンド電位の差でノイズが出やすいので、トランスで隔離するとか、
インピーダンスが高い部分を、アルミモールドのケースで覆うとか、
試したことないですが、デジタルケーブルなどの多重シールドのケーブルを使うとか(「トランジスタ技術 2021年 1月号 アナログ回路はノイズと闘う」参照)
あと、先月の無線と実験の2021年4月号だったか、秋一郎先生がEL34アンプの高域のノイズ対策や発振について解説されていました。
小容量のコンデンサーで、初段につき、帰還を施すというものです。シューというノイズが消えるとありました。
もしかするとその対策ができるかもしれません。
ヘッドホンですが、試しにケーブルにアルミ箔を巻いてみると、確実に良い方向へ音が変わります。低域がしっかりしたという感じに変わります。
ベルデンのケーブルはそれが対策されて高評価になっていると、個人的には思えます。
このように、結構巷にはノイズ源があるので、シールドで逃がすなどの対策が必要と思います。
とくに、高インピーダンスでは、その対策が必要です。
いろいろやっていくか、あとは専門家の方に直してもらうか、ですかね。。
頑張ってください。当方も、とても人にものを言えるものではありません。