オーディオの技術雑誌といえば、無線と実験、ラジオ技術、トランジスタ技術、管球王国などがある。
マニアならこれは知っておきたい、お宝記事を紹介しようと思う。
管球王国は国会図書館にあるようである。
◎は特にお勧め。
1.アッテネータ
①◎「疑似定インピーダンス型アッテネーターの実験」(「無線と実験」1998/11月、サイドワインダーp160)国武 良康
これは、窪田式の多数の抵抗を用いたアッテネーターを簡略化し、
2連ボリュームだけで、疑似的にこれを再現するもので、
音量を絞っても、定インピーダンスを保つので、音が痩せない。
実験してみると確かにそうだった。
2.コイル式ノイズ対策、コンデンサ式ノイズ対策
ノイズ対策は、音がやせるとか、単なる可聴域のノイズ対策というマイナスイメージというよりも、
混成ひずみの影響になるゆえ(下の安井先生の記事)、それを排除すると低域が充実して締まって聞こえたりするそういうものに影響する。
また、聞きづらい黒板をひっかくようなストレスのたまる音を排除するという点でも非常に重要なものです。
(1)電源
①「電源の浄水器を作る」(「無線と実験」1995年ごろ年不詳サイドワインダーp146)服部 守
安井式の高周波用チョークコイルを用いて、電源をノイズ対策する。
②◎「LRボックスの設計と製作(1)」(「無線と実験」2011/10月p122)安井 章
高周波ノイズの考え方が素晴らしい。
③◎「チョークインプット電源における音質改善」(「無線と実験」1994/4月p122)安井 章
通常のコンデンサインプットに加え、高周波チョークを挿入しようというもの。
④◎「自作コイルによる音質の改善」(「無線と実験」2013年/3月p65)
鉛筆に銅線を巻きつける。その考えがナイス。
⑤「TR(トランジスタ)によるりプル除去回路」(「ラジオ技術」1999/1月)泉沢 義雄
高圧トランジスタを使って、真空管アンプにおいて、少量のコンデンサでも、
大量のコンデンサと等価になる、効果的な除去回路について説明しています。
今となれば、シャントレギュレータのほうが理想なので、理想を追求される方は、高圧型のそれをお勧めします。
(「ミミズク」というサイト、「AUDILLUSION」というサイトを参照。
)
⑥「ファインメット・ シグナルノイズサプレッサー」(「無線と実験2014年3月P119」柴崎 功)
同年9月にも、同様の記事。ファインメットは、ラジオ技術ではよく知られた、パーマロイを超えるトランスコア用の材料だが、ノイズカットにも使われる。よく売れているらしい。
⑦「藤田製作所 オーディオ用ノイズ対策電源トランスの重要性」(「ラジオ技術」2001/12月p89)仲森 哲也
ノイズカットトランスの画期的構造(1次、2次を分離しない)について触れている。
私のダイトロンのトランスの構造は、1次、2次を分離しており、この記事で否定された構造になっている(ww)。
⑧「電源周波数に同期してノイズを遮断する新型電源回路と改良型DSIX」(「無線と実験」2000年/12月P229)柴崎 功
これは、コンデンサインプット電源で、2つのダイオードによる充電のうち、1つの充電中は、電流の流れを遮断し、他方に充電した電気を放電するというもの。
創意工夫にあふれるが、今となっては、コンデンサインプットでなく、
スパイクノイズがそもそも発生しない、チョークインプットのほうが理想であり、
例えば、菊水のリニア電源は、そうなっている。
⑧-2 年代不詳?? 新先生の記事に、コンデンサインプット電源の2つのダイオードのうち1つを削除すると、音が深くなるとあった。
試してみると、確かにノイズが増えるものの、後戻りできないと感じるぐらい、低音が良くなった。
これも、コンデンサインプットのスパイクノイズが半分になるのが、影響しているのだろうと思う。
(2)USBのノイズ対策
⑨「本格的USBフィルターの製作」(「無線と実験」2013年4月)安井 章
2013年5月p90にも、同氏の同項目の記事。
⑩「USBクリーン給電器の製作」(「無線と実験」2011年6月)柴崎 功
(同じものとして、「AC電源ノイズ対策の製作」(「無線と実験」2013年3月)柴崎 功
⑪「デジタルアイソレータ(1)」(「無線と実験」2012年/9月) 河合 一
チップであるISO7240Cについて
<2015/2月19日追加>
(3)石塚俊先生の記事
⑫「バイポーラトランジスタの使い方を考える(10)コモンモードがなぜ悪さをするのか」(ラジオ技術2010年/3月)
電車の釣輪のような環状のプラスティックにコイルを巻いて、CDのノイズ対策をする記事が載っています。