<初めに>
タンゴのチョークインプットトランスのCH‐20‐150D(現行であればISOのLL20-150Dに相当)を、入手したので、91Bタイプアンプに、チョークインプットで外付けして、楽しんでいました。やっぱりチョークインプットは、音が滑らかになります。整流直後が正弦波になり、ノイズスペクトルとして好ましく、ノイズも下がります。チリチリという原因不明の微小な不定期なノイズが聞こえていましたが、それもなくなりました。
もともと、チョークインプットトランスを仕込むことを考え始めたのは、91Bアンプの回路図に忠実に従えば、高額な274Aの直後に、40uF直列で20uF相当となっており、ラッシュカレントが大きく、負担が大きすぎるということでした(本来は4uFまで)。91Bアンプが設計された当時は、使い捨てでいくらでも潤沢に交換できたのかもしれませんが、現在は、事情が異なります。ソケットコネクタを使えば、4ピンの274Aを、8ピンの5U4Gに変えられますが、大阪の東京真空管商会に行ったときに、RCAの5U4Gでも絶対ダメと言われたのです。また、オリジナルも、ステレオサウンド掲載の図面によれば、最初50uF直列の2本だったのが、40uF直列の2本に変わっています。
チョークインプットは、「うなるからダメ」と、もっぱら世間では批判的ですが、このチョークインプットトランス(CH‐20‐150D)は、全く唸りが聞こえず、かなりおすすめです。こちらは、トランスの中を開ける機会があり、見てみましたところ、中を樹脂で充てんして、固めてあります。このトランスを入れると、若干レンジが広くなりました。これがいわゆる、若干ドンシャリなタンゴトーンなのかもしれません。
確かに一般のトランスを、チョークインプットに「ブーン」とかなりの大きい耳障りな唸りが、アンプ本体から(スピーカからではなくて)聞こえますが、こちらは、樹脂で固めて対策してあり、うなりは何も聞こえないので、もっと使ってよいと思います。
チョークインプットトランスを、外付けの状態で、長らく放置していましたが、このままだと無責任すぎる、自分が居なくなるとゴミにしかならないと思い、トランスの中に仕込むことができないかと思案していましたが、なかなかいい案が思いつきませんでした。
また、いまさら、電解コンデンサに変える気にはなりません。別のWSI91Bタイプアンプですが、電解コンデンサーがショートしたと思われる感じで、バリバリと大きいノイズを立て、3桁の274Aがスパークしたので、焦りました。チューブラとか、寿命が短い電解コンデンサーは、全く安心できません。電解コンデンサーは、まず寿命が大丈夫かどうか、電圧、温度の係数を含め、検討すべきと思います(もちろん、リップル電流の容量も検討すべきです)。これに対し、コーネルジュビラーのモーターランコンデンサーは、6万時間×使用電圧の係数×温度の係数で、ほぼ永久です。
その後、φ50mmの40uFのコンデンサを、ストックしていたφ45mmの21FD3740A-Fに切り替えるたら何とか入ることがわかり、それに切り替えることにしました。
買った当時は、φ45mm40uF(21FD3740A-F)を1個単位で買えましたが、現在、21FD3740A-Fは、42個単位でしか購入できず16週待ちであることから、入手性が悪い状況で、アンプを作った当時は、メンテしづらく無責任であることから、それに変えることを考えていませんでしたが。。。