ある方に私の作ったマランツ7のイコライザ部分を紹介しているときに、marantz7のcloneを作られているサイト(「真空管アンプ作品集と趣味の部屋」)を発見し、久しぶりに興奮しました。
marantz7はモデル7kでキットを販売しており、その時の製作マニュアルが存在するとのことです。
ヤフオクで出回っているようなので、早速入手しました。
製作マニュアルを入手してみると、確かに実体配線図は詳しく書いてありますが、キットの部品が存在することを前提として書かれており、代替部品を0から調達して行うことはもちろんながら対応していません。特に、ロータリースイッチ6個と、レバースイッチのうち3つは、特殊な特注品が使われており、入手性を考慮すると、配線を変更せざるを得ない可能性があります。そこで、いろいろ調べることにしました。
なお、汎用のロータリースイッチで配線を構成する方法は、後日紹介。
<参考文献>
「marantz7k ASSEMBLY MANUAL」実体配線図、回路図が記載されています。ただし、当然ながら特注のロータリースイッチの使用が前提。また、回路図は、特注のロータリースイッチの使用が前提になっている。
「Marantz 7 File Sharing」 回路図が記載されている。
「ニューロ機工さんのMaranz#7 control amp (copy)」
このサイトにある、誠文堂新光社の「ステレオアンプ実体図集」、これもヤフオクで買いました。ここのサイトにある2ページのほかには、マッキントッシュのc22の実体図以外には名機をコピーしたページはありませんでした。このサイトに引用された2ページが特に重要でした。ロータリースイッチのうち、bassとtrebleについて、構成方法が書いてあります。bassについては、このサイトの図のように、5段5回路11接点のうち、2段、4段を削除し、3段はただの足場として使う(マランツ7kのマニュアル(特注部品のロータリースイッチを使った回路図)ではなくて、上記7cの回路図のほうが近い)。trebleについては、3段11回路のうち、2段目を削除する改造を行い、3段目をただの足場として使う。段を削除する改造をするのは、段間の距離を稼いで、パーツを付けやすくするため。
「マランツ7k プリアンプ」に記載の参考文献、特に「(1)無線と実験’79年3月号 森川氏の7k製作記(全13ページ)」、「(7)無線と実験’97年9月号 森川氏による#7と#7SEの比較記事(7ページ)。回路図あり。」が参考になるかと思い、図書館の書庫で入手しました。しかし入手してみると、上記ASSEMBLY MANUALを持っていれば、それ以上に、一通りのクローンを構成するだけのために手助けになることが記載されているようには思いませんでした。これらの文献によれば、配線材は、基本的には20番の単線(ベルデン#8528)、セレクタースイッチからピンJに至るまで、20番の撚線(ベルデン#8523、#8524)のようですが、入手はむつかしいように思います。私が作るなら、「単線の配線材を試す。ウェスタン電話線、銀メッキ1.0mm単線ジュンフロン、47研究所0.4mm 単線」のジュンフロン銀メッキ線にエンパイヤチューブをかぶせると思います。
「ヤフオク」:過去のヤフオク等で、オリジナルの実体配線図が紹介されていたり、レバースイッチが出品されているので、それを参考にする。
「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事6 ネガティブフィードバック(NF)を用いたアンプ」:弊サイトで紹介した氏家式マランツ7のページ。国会図書館で入手。その回路図や実体配線図については、氏家氏本人が執筆されているのではと思われるようなサイト(「マランツ#7 (EQのみ)製作」)があります。
<部品等>
マランツ7サブパネルの端子ねじ: 海外では、正式名称は「turret terminal」と呼ばれます。 正式名称を散々探しました。「terminal screw」で探すと、端子ブロックのみがヒットして困惑することになります。
現行品では、貫通して導通しているタイプの、ネジ式のものは探しても見つからず(あればご教示いただければ幸いです)、keystoneの「1613-1」~「1613-4」が代用できるのではないかと思います。
ラグ端子は、keystoneのようですが、11連は販売されていません。
ロータリースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
selecter switch:5接点2回路 1段 30度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
mode switch : 8接点10回路 5段 20度 (東測 RS300,RS400,RS500等)
treble switch:11接点1回路 2段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点1回路3段等)
bass switch:11接点2回路 3段 2段目は足場として利用(上記「ステレオアンプ実体図集」の説明参照)(東測 RS300,RS400,RS500、aliexpressのuxcell 11接点4回路4段等)
レバースイッチ:オリジナルは特注ですが、以下の通り、汎用品で代用できます。回路については後日解説。
7play or monitor:2段(両面)2接点(2段階上下) (ギターの修理パーツ)
7equrizer:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7R:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
SL7H:6回路3接点 (30度3段階、2枚プレート) (東測 LS700(注文生産))
裏面パネル:上記cloneを作られているサイトのクローン2作目(「2代目Marantz7 Clone」)に、図面とレタリングのpdfが掲載されています。正面パネル、背面パネル、内部のサブパネルについては、上記「ステレオアンプ実体図集」に図面の記載がありますが、汎用の箱を流用しており、完全にサイズをコピーしたものではありません。