氏家先生によりラジオ技術に紹介されたマランツ#7アンプは、
徹底コピーを推奨されているもののアースの取り方については、ほとんど記述がない。
特に真空管V1のアースがどのようになっているのか、
悩みこんでしまった。
前回申したように、交流的には信号サブブロックのアースへ接続されているが、
直流的には、上記浮島となっている以上、
電流が電源ブロックへ帰る路がなく、電流が流れようがないからである。
氏家先生の1998年12月号の記事を解析したところ、
そのp48右上の写真で、出力端子でマイナス側がV2と共通していることは疑いなく、
また、それが、銀色のアース母線?で入力端子のマイナス側へ接続されている。
したがって、前回申した通り、
「直流的には、入力信号のシールド線を介して、V2の出力端子のアース側を通り、V2の入力信号のシールド線のアース側→信号ブロックのアース母線→電源へ、というかなり迂回した帰還をたどる」ように思えた(後述②の候補)。
まず説明のため、そもそも、マランツ#7のイコライザ部は、
1つの入力1が真空管V1に入り、他方の入力2がV2に入る。
入力1は、真空管V1の片割れで増幅され、
入力2は、真空管V2の片割れで増幅され、
V3で、それぞれ入力1、2の増幅したものを受け、
2の片割れがそれぞれ、カソードフォロアを形成する。
というわけで、V1、V2はそれぞれ左右の入力を担当することになる。
以下を前提に、記事を分析して、図を書くと、以下のようになる。
<追記:ラジオ技術の古い記事は、20年たち、各図書館でも廃棄対象です。国会図書館でコピーして下さい。>
(A)V1側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(信号サブ基板への交流アース、プラス側がV1の2番ピンへ)
(B)V2側は、
3つの入力端子→3つのシールド線
→(シールド線のマイナス側を束ねるラグ端子、プラス信号のみセレクタへ)
→(束ねた当該マイナス側、セレクタの信号)→シールド線
→(V2、V3共通アース母線、プラス側がV1の2番ピンへ)
出力端子側のマイナス側は、左右共通で、V2側の入力端子のマイナス側へ接続、
というのは、ラジオ技術1998/12月p48の写真から判明しています。
入力端子にアース母線のような銀色の線が、写真に見えますが、
どうつながっているのかは分かりません。
V1の直流電流がコンデンサに帰る方法として、考えられる候補としては、
①入力端子で左右入力のマイナス側が接続され、
V1の直流電源の帰還電流は、そこまで戻って初めて、V2のアースと接続し、
V2、V3の共通アース母線へ。
つまり、上記(A)(B)を両方通って、電源のマイナス側へ帰る。
②V1のみ接続される上記サブ基板への交流アースは、
実はシャーシーと接続され、シャーシーにB2電源の帰還電流が流れて、
B2のコンデンサマイナス側へ直流電流が帰る。
なぜなら、V1のみが信号サブ基板のアースに接続され、
わざわざ、アース母線をV2、V3と切断しているから。
<9月2日追記>
マランツ#7のオリジナルのアースの取り方は、②のように思えます。
グロメットなどは使っていません。サブシャーシーは直に(電気的に?)シャーシーに接続されています。
「氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)」のモガミ電機のサイトの資料参照。)。
③ゴロピカリ様の方法
アース母線を独立して入力端子まで張り、そこでさらにシャーシーにアースする。
④私の方法
V1のアース母線から、直接コンデンサへ帰還させる(改造)。
ここで、③は、ゴロピカリ様のサイト「風神ネットワーク 」の「イコライザーアンプとラインアンプ」を拝見して、直接メールで教えを乞うて、教えていただいた方法であり、その教えていただいたのち、サイトは更新され、現在は、そのサイトにアースの張り方につき、説明されている。