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marantz7 amp アンプの自作

氏家式マランツ#7アンプのノイズ対策1(ハムノイズについて)

投稿日:2015年8月27日 更新日:

アンプのノイズとしては、思いつくところ、4種類ぐらいあり、
①ブーン(ハム)、②ジー(高インピーダンスラインで、電波などの飛びつきを拾う。)、
③ちりちり(連続)、④ボン(不定期)、またはちりちりちりー(不定期)
が考えられる。

今回は、①②、特に②が盛大に聞こえた。オシロで測ってみると50mVを超えた。
(ちなみに、③は、はんだ付け不良、④は電解コンデンサの寿命であると考えられる。)

「①ブーン(ハム)」の要因は、
(あ)電源のリップル、(い)アースループ(アースの取り方が1点でない)
が挙げられる。
今回のアンプでは、氏家先生の記事(過去記事「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」参照)をほぼ踏襲して作ると(ただしブリーダ抵抗は43k、10mAのブリーダ)、B電源のノイズは2mVしかなく、
それにもかかわらずノイズが50mVもあるとなると、
出力に混入したノイズか、入力に混入したノイズがアンプで増幅されたか、となると見当をつけた。
ハムノイズも少し聞こえる。
1000μf+300mAのブリーダ+4Ω程度+3000μFでは、0.5v/18Vのリップルとなる。
試しに22000μFを追加すると、リップルは50mA程度となるが、ノイズはほとんど変わらない。
(ただし、音色の面でよりしっかりした傾向になったので、底面に穴をあけ、結束バンドで固定することとした。)
結局電源には問題ない。とすると、アースループが怪しいとなる。
ゴロピカ工房」さんの「イコライザーアンプとラインアンプ」によれば、トランスをそのままシャーシーに固定しては、巨大なアースループが出来上がるとのことで、それは製作時に知って、警戒していたので、信号サブ基板の切れ端を一枚はさみましたが、改善できていませんでした。ちなみに、石塚俊先生の一連の記事(過去記事「氏家式マランツ#7アンプにつき、トランスについて補足」参照)の「ラジオ技術」2011年3月p124にも理論的なことが触れられています。

そもそも、製作時には、アースループがなくなるように、相当な配慮をしていました。アース点はB電源の終端のマイナス側一点とし、入力端子では落とさないようにする(絶縁する)サブ基板も一応、信号アースがされていますが、
メインの箱(シャーシー)とは、グロメットを介して絶縁し、アースループが生じないように
していました。
ちなみに、ステレオアンプでは、入力端子でアース点を設けると、2点にアースするしかなくなり、アースループが出来上がります。入力端子でアース点を設けるには、おそらくモノラルアンプにするしかありません。特に左右の信号を分けて(左右対称構成で、電源トランス真ん中とするなどして)、入力端子を離すとそういうトラブルが生じます。だから、アース点はB電源の終端のマイナス側一点とするわけでして、氏家先生の記事で入出力端子がグロメットで絶縁されているのは、そのためにあるのではないかと理解しています。そしてアースループが出来上がると、単にハムノイズだけでなく、ピーンと鳴ったりして、ストレスのたまる高調波が、(耳に聞こえなくても)感じられたりします。確かに基準点は入力端子部分かもしれないが、高調波が聞こえると耳だれを起こすなど大変なので。。。今回も、V1側については、アースをかなり引きまわしているので(後の記事で後述)、ピーンというノイズが聞こえました。

・・・・・・・
その後、気付いたことは、
(A)氏家先生のマランツ7アンプの製作記事には、上記グロメットのようなもので、入力端子、出力端子、信号サブ基板が絶縁されているようですが、
グロメットの絶縁抵抗は相当に低いのです。8つも端子を設けると、10kΩを切ってしまいます。これは結構盲点かもしれません。
製作時にアースループに警戒し、絶縁がされていることをテスターで確認したときに、電流が流れて驚いたのです。

上のアンプの入力端子で、黒いのを巻いています。それは製作時にグロメットの抵抗値がかなり低いことに気付き、絶縁テープ(ビニルテープ)を巻いたからでした。ビニルテープの絶縁抵抗は、テスターで測定すると2MΩを超えますが、締め付けを強くすると、テスターでも抵抗値を測定できました。そしてそういう風に修理している間に、端子の1つが壊れたので、1つ異質の端子が左上についています。
この白い絶縁素子は絶縁抵抗が十分にありました。次から作るときは、グロメットは回避すべきです。

(B)それでもハムが聞こえるので、上記トランスの絶縁が怪しく、再確認することにしました。上記サブ基板の切れ端を、トランスとの間に差し込んだつもりでしたが、上記2つの文献によれば、絶縁部材において、4つの取り付け穴を違えており、合計8つの穴が開いていました。私のものは単に、トランスと箱との間で、絶縁基板を挟んで、ネジの穴を貫通していただけなので、
トランスのねじを介して、シャーシーへ接地された状態になっている
ことに気付きました。つまりトランスのねじ⇔シャーシー間の抵抗を測ると、1Ωを切っていたのです。これはまずいということで、絶縁テープを巻きました。ちなみに、右下のねじ穴は、テープを巻いたのですが、導通していることに気付き、ネジ止めが後手後手になっており、後の課題です。

以上で、ハムノイズは聞こえなくなりました。なお、(B)は、ノイズ対策の最後のほうで気づきましたので、実際の検討順序としては後のほうでした。

<後日談>トランスを固定するねじは、後で透明のプラスティックに変えました。

 

つぎは、問題の「②ジー」というノイズについて扱います。

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