やまちゃんのオーディオブログ

真空管アンプ、最近は資金調達のためのFX,MetaTrader4ネタもやっています。

marantz7 amp アンプの自作

氏家式マランツ#7、真空管アンプの調整

投稿日:2015年8月25日 更新日:

まず、前回の記事に追記しましたので、それをご覧ください。
5V巻線を利用し、直列にすれば、特注しなくても、定電流回路を構成可能です。

今日の本題に入ります。
真空管アンプの調整は、以下のとおりします。
1.まずフィラメント、B電源とも、トランスへは接続するものの、
アンプの信号回路へは接続せず、電圧を測定する。
このとき、電源回路のほうにブリーダ抵抗を接続していないと、
電荷がコンデンサへ残ってしまい、放電するには火花が散ることになるので、
必ずブリーダ抵抗で、電源オフとともに、電荷を流す。
そのために、ブリーダ抵抗は、必ず電源回路ブロックのほうに設ける。

2.次に、フィラメントだけを点火すべく、
フィラメント電源だけをアンプブロックへ接続し、
フィラメントの確認をするとともに、フィラメントの電圧を測定する。
ここで、今回のマランツ7アンプでは、いきなりトラブル発生!!
いったんは電源ランプがともるものの、数秒後ヒューズが飛ぶ(汗汗;)。2回やったが同じ。
ブリーダ抵抗に流れる電流が大きかったのかと考え、
とりあえず、B電源をトランスから外し、B電源の電圧を0にしてみると、
真空管3つのうち、2つしか点灯しない。
そこで確認すると、フィラメントの配線が間違っていました。
氏家先生の記事では、12AX7の9ピンのうち、
9ピンが省略されている実体配線図があり、
9ピンから数えると、1つずれてしまうのですね。この辺は注意が必要です。
ピン番号のいくつかを、ソケットにマジックで書いておくべきですし、
実体配線図にも、誤りを防ぐべく、追記しておくべきです。

以上の通り、真空管にB電源を通さず、試したので、
安全を期することが出来、よかったです。

3.次にフィラメントの電圧を測定します。
設定すべきフィラメントの電圧は、18.9V(直列12.6Vx2+並列6.3V)±5%となっており、
18.9V300mAです。5%の範囲にないと、寿命が著しく低下するおそれがあります。

氏家先生の回路図では、18.3Vとなっております。
電圧が異なる場合には、1000μFと22000μFの間の抵抗10Ωを
修正することになります。
この電圧は、ブリーダー抵抗によるブリーダー電流の量や、コンデンサの容量によっても変わってきます。
当初、オリジナルが3000μFであったこと、22000μFが高かったこと、
「コンデンサの容量を大きくすると、必ずしも良くない。ブリーダ抵抗で必要量の1/3を流すべき。」という前回紹介した一連の石塚先生の記事から、2200μFを3000μFとし、ブリーダに300mA流していたところ、電流供給が厳しくなったのか、供給電圧が下がったので、上記10Ωを修正しました。

上記で緑がKOAのブリーダ抵抗、黒いのが巻線の10Ω。後に10Ωには並列に抵抗を入れました。

4.次に、懸案のB電源のチェックをします。
フューズが繰り返し飛ぶので、おかしいと思い、
許容電流が大きな5Aのヒューズにしてみると、
電源ランプ(上記フィラメント電源から定電流素子を介して供給)は付くものの、
煙+におい+シューという音+電圧がマイナス5V!?となり、
あわてて電源を切ると、ダイオードを逆接続していたことが分かりました。
シューというのは、電解コンを逆接続すると、そうなります。

普通のダイオードは、マイナス側に棒線が入っていて間違うわけないのですが、
ここで使ったダイオードは、ロームのSICを使ったもので、
パッケージは、足の数以外トランジスタと変わりないのですが、
仕様書の説明図が、表裏のどちらを示しているのか分かりにくく、誤ってしまったようです。
rohm.jpg
(上記の丸内、3角法では、描かないはずの線が描かれているので、混乱した。)

そこで、ダイオードを外そうとしたところ、外れないので、
からげていた部分をちょん切ることにしました。
初めから長くないダイオードの足がさらに短くなり、そのままでは足場へ接続できません。
そういうことも考え、初めから、ユニットごとに足場を設けていました。
ダイオードが気に入らないときや交換するときは、全部交換できるようにということです。
しかし、ここでは、SICのダイオードの値が高く、簡単にポイ捨てというわけにいかないので、
ダイオードの足に、平行に電線をはんだ付けして、
さらに、細いエナメル線を巻いたのち、熱収縮チューブで固めました。
PA0_0017.JPG
今思えばエナメル線では、はんだの乗りが悪く、無メッキ線を使うべきでした。

5.B電源ユニットのみを、トランスに接続し、信号回路のサブユニットへの電源供給はしない状態にします
300v程度。おかしくないので、次に移ります。

7.一応、信号部の配線をチェックします。
製作時には、チェックしながら進めていますが、
上記の通り、フィラメントの配線の誤りがあったので、再確認です。

8.B電源をいよいよ、信号回路の信号部へ供給します。
氏家先生の回路図の電圧と比較し、1ボルト程度の誤差でした。
夜間だと、電力会社がトランスを入れ替えたりするので、電圧が変わってきます。

7.パワーアンプをつないで、音を聞いてみます。
本来は、測定をするのでしょうが。。。

8.あれ?・・・音が鳴りません。??
セレクタ入力を、信号が入らない位置に、間違えていました。
前示した、オンキョーの929(過去記事「自作MCカートリッジ蝶の視聴4」)でも、間違えましたが、また間違えました。

9.いきなり音楽が鳴り始めました。
PCからですと、イヤホン端子をRCAへ変換するケーブルでつなぎます。
この接続ですと、耐入力が大きくないようですね。入力段のカソード、グリッド管の電圧が小さく、
ちょっと大きくすると、音がサチリ、ノイズが出ます。
後、ノイズが大きい。ハムと、ジーという音。
4.7kΩ入力のフラットアンプのセレクタ入力に切り替えると、
10Ω+4.7kのセレクタ入力よりも、ノイズが大きくなり、かつ耐入力も小さくなります。

次回はようやく、ノイズ対策について、触れていきます。

-marantz7 amp, アンプの自作

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