やまちゃんのオーディオブログ

真空管アンプ、最近は資金調達のためのFX,MetaTrader4ネタもやっています。

marantz7 amp アンプの自作

氏家式マランツ#7アンプにつき、トランスについて補足

投稿日:2015年8月25日 更新日:

氏家式マランツ#7アンプ(過去記事の「氏家式マランツ#7(イコライザ部分)ほぼ完成!」)につき、トランスについて補足すると、
氏家先生のマランツ7の記事では、今は亡きタンゴトランスのEV-3Sを使っていますが、
代替品としては、橋本トランスのPT-60というのがあります。
電圧もすべて同じですが、(製作に関係がない巻線の5V(EV-3S)が、橋本トランスでは6.3Vとなっています。訂正します。)
15vの巻線はタンゴトランスが1.5A、橋本トランスが2Aなので、
フィラメント電圧を調整する必要が出てくるかもしれません。コンデンサ間の10Ωの抵抗の値です。
その他、春日変圧器さんへ特注する手もあります。その方が安いかもしれません。
特注する場合には、トランスの「最大容量」の半分のみしか使えないと心得てください。30wの電力が必要なら、60wクラスのトランスが必要になります。過去記事の「マニアなら知っておきたいオーディオ雑誌のお宝記事8 トランスの作り方」にあるラジオ技術の石塚俊先生の一連の記事は、電源に関して造詣が深く、電源については、全部読んでおくべきですね。そこでは繰り返し「まず電源トランスの磁束密度を下げろ」というのが出てきます。そのためには、より大きい容量のトランスを使えということです。これにより、鉄くさい、なまった音を回避できるということです。
それから、石塚先生は、「両派整流やppトランスの巻線を厳密にそろえるべき」とも繰り返しおっしゃっていますね。その巻線のバランスも、ラジオ技術を見て、特注してもいいかもしれません。その他、「イシノラボどっとこむ」さんの「店長のブログ」の「新開発“Xカレント回路”とは!(詳細説明)」に、リップル分とスピーカからのリターン電流で、混変調現象を起こすとあり、その辺も電源の考え方につき参考になりますね。

さらに、フィラメントの15v巻線をもう少し高くして特注すると、後で、定電流回路を仕込むことが出来ます(後述のとおり5V巻線を直列して利用できます。)。石塚先生によると、「ラジオ技術」2010年8月p117「球アンプは定電流点火すべし」などによると、「真空管の個性はエミッションの揺れの個性であり、フィラメントは定電流点火がよく、定電圧点火はだめ、定電流にすると6CA7が、音の純度が高い古典管のようになる、現在の球は、ダルエミッタさえ使っていないので、ノイズが大きいが、定電流点火によるとエミッションの揺れの個性を抑えられる」という趣旨ですから、大電流を流せる「Nチャンネル JFETトランジスタ, 500 mA, 3-pin TO-92」RS品番 806-1747((J105、フェアチャイルド製))等を使って、定電流点火するのが、音質向上の選択肢になりますが、後々の課題ですね。jFETは、電流ノイズが小さい特性があります。

それから、トランスの大きさも、EV-3Sとは異なるので、注意が必要です。
私は、タカチのCU-16Nを使いましたが、もしかすると入らないかもしれません。

ちなみに、EV-3Sは、内部をあけると、シリコンか蝋のような半透明の樹脂で固められていました。

<追記>
上記JFET(J105、フェアチャイルド製)の定電流点火について、さらに調べました。
まず、上記5v巻線は余りで使いませんから、
特注しなくても、直列の巻線にすれば、JFETの電圧降下分を賄えます。

12AX7は、フィラメントの中点に端子があり、
その中点から電流を流すとパラレルとなり300mA、6.3Vです。
直列すると、12.6V、150mAとなります。
上記JFETでは、VGS=-0.5vのとき、
VDS>4.5Vで、300mAほぼ一定の電流がなかれますから、
0.5/0.3=5/3Ω(0.15w)の抵抗をぶら下げると,
つまり5Ωを3本並列につなげると、
定電流回路の完成です。

<9月2日訂正>回路図は、抵抗の定数以外はあっているのですが、
特性シートが新旧2つあるようで、
入手して実測してみると、旧版は実質とあっていないように思え、
新版の左の図がある程度あっているようにも思えます。
放熱板がない場合には、許容されるプレート損失が0.625Wしかないので、
300mAも流すと、燃えてしまいますので危険です。
実際150mA流して、じりじり~~と燃えてしまいました。

また、特性図からすると、VGSを-1.2v程度に調整すれば、
<9月2日訂正>VDG=7V、VGS=-3.6~3.8V、RGS=27~30Ωとすれば、
150mA流れるようですから、JFETを2本パラレル用意して、
それぞれ定電流とすることも可能です。
その場合、上記抵抗は、1.2/0.15=8Ω27Ω程度へ変更することとなります。

なお、以上は計算上にすぎず、
必ずダミー抵抗などで、定電流特性を確認してからにしてください。
また、計算や接続に誤りがあるかもしれません。

<9月2日訂正>
実測してみると、VDG=7V前後、VGS=-3.6~3.8V、RGS=27~30Ωとすれば、
VDS=3.4V前後となり、150mA程度流せます。
温度によっても変わるので、放熱板など、さらに調整が必要です。
5V巻線を直列にすれば、+7V程度となる予定です。
定電流の特性がよいかどうかも、VGSに掛ける電圧と、抵抗値とに関係します。

12AX7の片側は、42Ω(=6.3V/0.15mA)ですから、
43Ωを3個直列して、129Ωとし、それに適切な高抵抗6.2kΩを直列して126Ωとし、
ダミー抵抗とすることを考えています。

-marantz7 amp, アンプの自作

執筆者:


comment

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

CAPTCHA


関連記事

no image

marantz7 クローン計画ーロータリースイッチの回路図の読み方

marantz7t ASSEMBLY MANUALをヤフオクで落札できたので、簡単にコピーできるのではないかと思っていたが、まずその回路図がマニュアルのどこに掲載されているのだ?(70頁に掲載)から始 …

no image

ウェスタン91Bアンプの音の秘密(the secret of Western 91B amp sound)

これまでの雑誌をまとめると、91Bアンプの音の秘密は以下の通りです。先生方ありがとうございます。 1 ウルトラハイゲイン 及び 深いネガティブフィードバック 3段増幅により、ウルトラ高感度になっていま …

no image

各種の定電圧回路について1(VCCS、誤差増幅、シャントレギュレータ)

各種の定電圧回路(安定化電源)について理解できたことを説明しておこうと思う。 たいていの定電圧回路は、 1.VCCS(シリーズ電源)、 2.オペアンプ差動回路等の誤差増幅によるサーボ回路、 3.シャン …

no image

各種の定電圧回路について2(VCCS、誤差増幅、シャントレギュレータ)

前回に引き続き、定電圧回路について述べますと、 オペアンプ等の差動増幅を用いて、誤差を消去している回路によれば、 その周波数帯域では、増幅率を一定にできます。 そうすると、負荷に対する制動力(つまり、 …

no image

氏家式マランツ#7アンプその後の補足1(ノイズ対策、オリジナルのアース方法など)

まず、このカテゴリ「アンプの自作」の記事を、以下を反映しながら、あちこち編集して追記しましたので、ご確認いただければと思います。 1.ネガティブフィードバック配線を忘れていました。 そもそも、9月1日 …

[最近の記事]
2015年8月
 1
2345678
9101112131415
16171819202122
23242526272829
3031